スギヒラタケ

http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20050207it04.htm
いつも本能の赴くままに書いているので、たまには科学者らしいツッコミを。
最初に結論を:もっと現実的な量をぶち込んで考察しろやゴルァ

食用キノコ「スギヒラタケ」のエキスをマウスに注射すると、強い毒性で腎臓に障害が出ることが、金沢大大学院の太田富久教授(天然物化学)の研究で明らかになった。

かつて「ソリブジン薬害」が騒がれたときに、東京薬科大学の渡部先生がソリブジンネタで5年以上に亘って仕事をしていたことを思い出します。注目されるネタは飛びついてツバをつけた者の一人勝ちとなるのがこの業界です。

スギヒラタケを90度で約30分加熱し、エキスを抽出。これをマウスのおなかに体重1グラムあたり1ミリ・グラムを注射したところ、10匹中7匹が1日以内に死んだ。

たぶん、スギヒラタケ1キログラムから1グラムぐらいのおどろおどろしいエキスとやらを抽出したのでしょう。計算すると1000倍に濃縮していることになります。そんなものをおなかに射った時点で体に悪そうなのは明白です。しかも射つ量は体重1グラム当たり1ミリグラムです。60キログラムの人間ならば60グラムもぶち込まれるのです。しかもこのエキス、1000倍に濃縮しているのですから、スギヒラタケ60キログラムに該当します。
自分の体重と同じだけのスギヒラタケを食べたら、そりゃ身体がおかしくなるわな。
しかも糖タンパクですから、消化管からだと分解されて糖とアミノ酸にならない限りほとんど吸収されないはずです。おなかに直接入ればそりゃえげつないことになるでしょう。
ということで、少々のことではスギヒラタケは大丈夫だというのが科学的な考察なのではないかと。
そんなあなたに無駄な知識を。水の致死量は40リットルです。
スギヒラタケ60キログラム食べて死ぬのもよし、水を40リットル飲んで死ぬのもよし。